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退職金は「助成金」で賢く作る!採用力アップとコスト削減を両立させる秘策とは?


退職金は「助成金」で賢く作る

「いい人材がなかなか集まらない」「せっかく採用してもすぐに辞めてしまう」……。

そんな悩みを抱える経営者の皆様、自社の「福利厚生」を見直してみませんか? 今、中小企業が優秀な人材を確保し、定着させるための強力な武器となるのが「退職金制度」です。

「退職金なんて、コストがかかって無理だ」と思われるかもしれません。しかし、国の「キャリアアップ助成金」「中退共(中小企業退職金共済)」の助成制度を賢く活用すれば、導入コストを抑えつつ、会社にも社員にも大きなメリットをもたらすことが可能です。

今回は、退職金制度の種類や比較を織り交ぜながら、助成金を活用して賢く制度を導入する方法を詳しく解説します。


1. 退職金制度にはどんな種類がある?主な4つの制度を比較

退職金の準備方法には、大きく分けて以下の4つの制度があります。それぞれの特徴を理解し、自社に最適なものを選ぶことが大切です。

制度名称

特徴

運用リスク

役員の加入

中小企業退職金共済(中退共)

国が運営する中小企業のための積立制度。掛金は全額損金。

国(機構)が負う

原則不可

企業型確定拠出年金(DC/401k)

会社が掛金を拠出し、社員が自ら運用。社会保険料の削減効果も。

社員が負う

可能

確定給付企業年金(DB)

将来の給付額があらかじめ約束された年金制度。

会社が負う

可能

民間保険(養老保険など)

生命保険を活用した準備。死亡保障と退職金準備を兼ねる。

保険会社・会社

可能

中退共は、単独で退職金制度を持つことが難しい中小企業でも、国の援助を受けて手軽に導入できるのが魅力です。 一方、企業型DCは、掛金が「給与」とみなされないため、所得税・住民税だけでなく、会社・社員双方の社会保険料を適正化(削減)できるという他にないメリットがあります。


2. 導入時に絶対使いたい!「キャリアアップ助成金」の活用術

まず注目したいのが、「キャリアアップ助成金(賞与・退職金制度導入コース)」です。 この制度は、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる「非正規雇用労働者」の処遇改善を目的としています。

助成内容と支給額

非正規雇用労働者を対象に、新たに退職金制度(または賞与制度)を導入し、実際に積立(または支給)を行った事業主に対して支給されます。

  • 中小企業の場合:1事業所当たり 40万円

  • 賞与制度と退職金制度を同時に導入した場合:16.8万円が加算

つまり、両方を一度に導入すれば、最大で56.8万円の助成を受けることができます。

申請のポイント

活用にあたっては、制度を実施する日の前日までに「キャリアアップ計画」を労働局やハローワークに提出する必要があります。 その後、就業規則等に退職金制度を規定し、実際に運用を開始して6か月分の賃金を支払った後に支給申請を行います。


3. 積立コストを国がサポート!「中退共」の掛金助成制度

中退共には、加入する中小企業の負担を軽減するため、国による強力な掛金助成制度が用意されています。

① 新規加入助成

初めて中退共制度に加入する事業主に対し、加入後4か月目から1年間、掛金の一部を国が助成します。

  • 助成額:掛金月額の1/2(社員ごとに上限5,000円)

  • 短時間労働者への特例: 掛金月額(2,000円〜4,000円)の1/2に、さらに300円〜500円が上乗せして助成されます。

② 月額変更助成

すでに加入している場合でも、掛金月額を増額変更(18,000円以下の掛金からの増額が対象)すると、増額分の1/3が1年間助成されます。

掛金自体も全額損金として非課税扱いになるため、法人税の節税効果もあり、非常に効率的な資金準備が可能です。


4. なぜ「退職金」としての支給が社員に喜ばれるのか?

会社が社員に報いる方法は「給与アップ」だけではありません。実は、毎月の給与を増やすよりも、「退職金」としてまとめて支払う方が、社員の手元に残る金額(手取額)が多くなるケースが多々あります。

その理由は、日本の税制における「退職所得」の圧倒的な優遇措置にあります。

  1. 他の所得と分離して課税されるため、税率が上がりにくい。

  2. 大きな「退職所得控除」があり、勤続年数に応じて非課税枠が増える。

  3. 控除後の金額をさらに1/2にしてから税率をかける(一部例外あり)。

  4. 退職金には社会保険料がかからない

例えば、20年間にわたり給与を月25万円(年間300万円)上乗せして受け取る場合と、退職時に一時金として6,000万円受け取る場合を比較すると、一時金の方が手取総額で約1,069万円も多くなるという試算もあります。

社員の老後の安心を守るためには、給与として支払うよりも、退職金制度を通じて積み立てる方がはるかに効果的なのです。


5. 助成金を賢く使って、選ばれる会社へ

退職金制度の導入は、社員への還元であると同時に、会社の「採用力強化」「節税・コスト適正化」を同時に実現する経営戦略です。

  • キャリアアップ助成金で導入時の事務負担や初期費用をカバーする。

  • 中退共の掛金助成で、毎年の積立負担を軽減する。

  • 企業型DCを併用し、社会保険料の負担を適正化する。

これらの制度を組み合わせることで、キャッシュフローを守りながら、大企業に負けない充実した福利厚生を構築することが可能です。

「うちのような規模ではまだ早い」と諦める前に、まずは活用できる助成金がないか検討してみませんか?

社員の笑顔と会社の成長のために、今こそ退職金制度の導入という大きな一歩を踏み出しましょう!



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