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最低賃金1,500円時代到来か!?今すぐ始める「業務改善助成金」で賃上げも生産性も手に入れる!

最低賃金の見直しに合わせて、業務改善助成金を活用して生産性向上につなげる

令和7年7月11日、中央最低賃金審議会で令和7年度の地域別最低賃金の改定に向けた議論が始まりましたね。政府は「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025改訂版」において、2020年代に全国平均1,500円という高い目標を掲げ、最低賃金の引き上げに強い意欲を示しています。

この動きは、私たち社会保険労務士としても非常に注目しています。最低賃金が上がると、企業の皆様にとっては人件費の増加という負担が避けられません。しかし、これは単なるコスト増と捉えるだけでなく、生産性向上の好機と捉えることもできます。


なぜ今、業務改善助成金が注目されるのか?


最低賃金の引き上げは、特に中小企業・小規模事業者にとって大きな影響を与えます。人件費が上がることで経営を圧迫するのではないかと不安に感じる経営者の方もいらっしゃるでしょう。

しかし、政府は最低賃金引き上げと並行して、中小企業・小規模事業者の賃上げを後押しするための施策パッケージを打ち出しています。その中核となるのが、「生産性向上」「価格転嫁・取引適正化」です。

ここでぜひ活用していただきたいのが、まさに「業務改善助成金」です。業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者が生産性向上に資する設備投資などを行い、事業場内の最も低い賃金(事業場内最低賃金)を引き上げた場合に、その費用の一部を助成する制度です。


業務改善助成金でできること


業務改善助成金を活用することで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

  1. 賃上げへの対応を支援: 最低賃金が引き上げられる前に、計画的に事業場内の最低賃金を引き上げることができます。これにより、法令遵守はもちろんのこと、従業員のモチベーション向上にもつながります。

  2. 生産性向上の推進: 助成金の対象となるのは、単なる賃上げだけではありません。生産性を向上させるための設備投資(例:車両、パソコン、POSレジの導入、高性能な調理機器の導入、作業効率を上げるソフトウェアの導入など)や、コンサルティング費用なども対象となります。これらの投資は、長期的に見て企業の競争力強化に直結します。

  3. 労働環境の改善: 生産性向上のための投資は、従業員の負担軽減や作業の効率化にもつながります。結果として、より働きやすい職場環境の実現に貢献し、従業員の定着率向上にも寄与するでしょう。

  4. 費用の負担軽減: 生産性向上と賃上げにはコストがかかりますが、業務改善助成金を活用することで、その費用の一部を国が負担してくれます。これにより、企業の財政的な負担を軽減しながら、積極的な投資を行うことが可能になります。


助成金のポイントと活用例


業務改善助成金は、賃上げ額や引き上げる労働者の人数、生産性向上のための投資内容によって助成率や助成上限額が変わります。

例えば、

  • POSレジシステムの導入: レジ業務の効率化だけでなく、売上データの分析を通じて在庫管理やマーケティング戦略にも活用できます。

  • 最新の調理機器の導入: 飲食業であれば、調理時間の短縮や品質の均一化に貢献し、人手不足の解消にもつながります。

  • 事務処理ソフトウェアの導入: 経理や人事などのバックオフィス業務を効率化し、従業員がより付加価値の高い業務に集中できる時間を生み出します。

  • 専門家による経営コンサルティング: 業務フローの見直しや最適なITツールの選定など、外部の知見を取り入れることで、より効果的な生産性向上策を実行できます。

大切なのは、単に賃上げをするだけでなく、賃上げの原資となる「生産性向上」を同時に追求することです。業務改善助成金は、まさにその両輪を回すための強力なツールなのです。


今後の最低賃金の動向と準備


中央最低賃金審議会では、今後数回の議論を経て、令和7年7月下旬にも目安額が示される予定です。昨年を上回る引き上げが実現する可能性も十分にあります。

この機会に、自社の賃金体系の見直し、そして業務の効率化・生産性向上について真剣に検討してみてはいかがでしょうか。


最低賃金の引き上げは、企業にとって避けては通れない課題ですが、同時に企業体質を強化し、持続的な成長を実現するチャンスでもあります。業務改善助成金を賢く活用し、生産性向上と従業員の賃金アップを両立させることで、未来を見据えた経営を実践しましょう。

当事務所では、業務改善助成金の申請支援から、貴社の実情に合わせた生産性向上コンサルティングまで、トータルでサポートさせていただきます。ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。


 
 
 

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